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あなただけ今晩は
第6章 赤石温泉

「早く部屋に帰ろうよ…ここでする訳いかないじゃん…」
「そ、そうね…」

私たちは温泉を出て浴衣に着替えた。
そして、手を繋いで夜空に瞬く星々を見ながら大きな提灯が下がっている玄関まで行った。

すると、玄関先に何か動物らしきものがいた。
犬にも見えるがちょっと違う。

良く見るとそれは野生のタヌキだったのだ。
私たちが玄関の側に行くと逃げるように走り去っていった。

私たちはちょっとビックリしたけれど可愛らしい動物を近くで観られてほっこりとしていた。
木造の長い廊下を歩いて部屋に戻った。

アキラが隣の部屋に敷いてある布団へと私を連れて行く。
キスをしながら私の浴衣の帯を解いてゆく。

私はされるがままだった。
スルリと浴衣は布団の上に落ちてゆく。

私は上半身裸になった。
アキラも急いで浴衣の帯を解きボクサーショーツ1枚になる。

キスをしながら私を布団へと押し倒してきた。
私の腕を頭の上に上げると浴衣の帯を私の両手に掛けてくる。

何をするのだろうと、黙って見ていた。
アキラは私の両手を帯で縛ってゆくのだった。

それは、キツクではなくとても緩くではあったのだが。
私は両手が使えなくなった。

「彩ちゃん、今夜はもっと面白いことしようね…」
「え?」

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