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あなただけ今晩は
第7章 授かりもの

「お母さん、こればかりは授かりものだからどうしようもないわ…」
「そうよね…」
私の母もこれ以上は何も言ってはこなかった。
私は、ちょっとこの頃占いにハマっていた。
占いなんて馬鹿らしいと昔は思っていたものだった。
だが、今の私は占いに頼りたい気持ちになっていた。
手相、人相占いで有名な占い師を訪ねたのだ。
そして、子供の事を聞いてみた。
「結婚してもう1年以上になるのですが、未だに子供が出来なくて悩んでいます…私には子供は授からないのでしょうか?」
すると、占い師はこう言ってきたのだ。
「結婚して1年以上なんですね?」
「はい、そうです…」
「旦那さんとはとても仲が宜しいとお見受けしました」
「はい、とても仲が良いですし、いい夫です…」
「お舅さんはもう、亡くなられていますね?お姑さんとは仲が良い様ですね?もし、お姑さんと仲が悪くて腹を立てていたりしたらその家の子供は欲しいとは思わないでしょうね?」
これを聞いた時私は驚いてしまった。
舅が亡くなっているとどうしてわかったのだろうか。
「はい、舅はもう亡くなっていますが、姑はとてもいい人でとても仲が良いですし幸せだと思っています…でも、舅の事は何故、分かったのですか?」
「はい、手相に出ていますから分かりますよ…」
そう言うとにこやかに笑いこう続けるのだ。

