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あなただけ今晩は
第7章 授かりもの

「親戚の人もみんないい人なのではありませんか?」
「はい、本当に優しい人ばかりに囲まれていると思います」

「では、お聞きしますが、その人達のひとりにでも、手を合わせて感謝をしたことがありますか?自分がどれだけ恵まれているかという事に、手を合わせて感謝をしたことがありますか?」

「え?」

私は、言葉に詰まってしまった。
すると、どうだろう。

熱い塊の様な物が腹部から上がって来て喉元を過ぎ目に上って来た。
そして、私は大量の泪を流したのだった。

私は、嗚咽して泣き続けた。
本当に私は人に恵まれていて、良い人ばかりが周りにいたのだ。

私は、子供が出来ない事ばかりを挙げ連ねて、実はそれ以外に自分はどれだけ恵まれているかということに感謝していなかったのだから。

もし、自分がどれだけ恵まれているかということに気づけば、恵まれていないその一点を悩み、苦しみだと言って挙げつらうのではなく、来る日も来る日も、自分が恵まれていることに手を合わせて感謝をしているだろう。

それが、私には出来ていなかったのだ。
尚も占い師はこう言ってくる。

「大事な事は今、置かれている状況に対して本当にありがたいと思う事と、感謝をすることです。その感謝のありがたいと思う事の中には、子供がいないという事も含まれるのです。子供が居ないことも含めて、それを全部受け容れて、その状況も含めて感謝する事。これが本当の感謝をだと思いますよ…」

私は泣き続けていた。
そしてこう言ったのだ。

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