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あなただけ今晩は
第8章 乳頭温泉郷

「ええ、そうよ、アキラくんはちょっと甘えん坊なところがあるからしっかり者の彩ちゃんが必要だわ…」
「そ、そうかな?」
「そうよ…」
「あ、ありがとう…」
文恵の子供の琴美は温泉に潜ったり、出たり入ったりを繰り返している。
温泉をプールだと思っている様だった。
その姿を見るとやはり子供は良いものだと感じてしまう。
だが、もう子供の事で悩む事はやめたのだ。
今は、自然に授かることを願っていた。
そんな事を考えていると文恵からこんな事を言われたのだ。
「彩ちゃんのところは赤ちゃんの予定はあるの?」
「え?」
「予定よ…」
「ええ、予定はあるんですけどね、まだ授からなくて…」
「あ、ごめんなさいね、でも、これだけは授かりものだから焦らなくてもいいんじゃない?私の所なんて結婚して直ぐに赤ちゃんできたからある意味大変だったわ…」
すると、美咲もこう言ってくる。
「私の所もまだだから、焦らなくても大丈夫よ…」
「美咲ちゃん、ありがとう…」
そんな会話をしながら私たちは温泉を愉しんだ。
のぼせてしまうからという事で温泉を上がることにしたのだ。
私は、少しだけ湯あたりをしてしまった様だった。
浴衣に着替えると自販機でポカリを買って飲んだのを覚えている。

