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あなただけ今晩は
第2章 同棲生活

「アキラくん、子供が真似するからカートに乗らないのー!!」
「えー、ダメなのー?」

「当たり前でしょう…」

こんな会話をいつもしていたように思う。
本当にアキラは子供の様だったのだ。

それに、アキラは大の酒好きだった。
それも、ビールの一番搾りが大好きだったのだ。

そのビールも1ケースカートに載せてゆく。
基本、アキラのお酒代は自腹だった。

と、言うか同棲時代はお互いに生活費を半分ずつ出していたのだ。
でも、お酒代はお互い自腹だった。

私は主に日本酒を飲むことが多かった。
この日も生協で買い物を済ませると酒屋へと向かい私の日本酒を買うのだ。

私は“菊水”が飲みたくてそれを買った。
自宅に着くと私は9号の土鍋におでんの具材を敷き詰めてゆく。

大根は湯がいて灰汁を取る。
それが終わると土鍋におでんの出汁に大根、ゆで卵、じゃがいも追加していれてゆく。

9号の土鍋の蓋が閉らないくらいの量が出来てしまう。
それを、土日に分けて食べてゆくのだった。

1日目よりも2日目の方が断然美味しいに決まっている。
味が染みこむからだ。

リビングのテーブルに卓上コンロを置きその上に土鍋を置いた。
小さな火を付ける。

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