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第2章 第一章　セックスの探求

向がある。セックスと闘争は同一線上にあるのだ。だからこそ、ナンパのことを『ガールハント』と言うのである。ハント、つまりは『狩り』なのだ。男にとっては、女は獲物なのである。ぬるま湯で育った草食動物みたいな男子ばかりでは、むしろ少子化傾向が当たり前だろう。日本の少子化傾向を直すには、むしろ放置したほうがいいかもしれない。そうすればやがて国が傾いて、生活は苦しくなり、男たちはハングリーさを取り戻すだろう。あるいは、副作用覚悟で移民を受け入れるか。途上国からやって来た野獣のような男たちは、日本の女をがんがんファックしてバンバン子供を産ませるだろう。
　しかし、そんなイチかバチかの賭けみたいなことを、論文で書くわけにもいかない。それにサクラのテーマは『社会システムの中における、恋愛とセックスの役割と意味合い』だ。少子化はひとまず置いておこう。結婚や出産はセックスとはまた違うテーマである。人生設計がからんでくるテーマで、藤代教授の専門分野である。学科長で上司とはいえ、研究テーマを押しつけられては堪らない。やはりテーマは『恋愛とセックス』である。
　しかしでは、このテーマをどう掘り下げていくか。ここは女の視点ばかりで考えず、男の意見を聞いておくべきだろう。恋愛に夢中になるのは女だが、恋愛もセックスも主導権は男が握っている。サクラは男子学生に意見を聞くことにした。
「男にとっての理想の恋愛とセックスって、どういうの？」
　という質問を授業でして、男子学生にアンケートを取った。
　恋愛に関しては、ドラマの影響が大きいようだ。天才ＩＴ実業家に惚れる美人ＯＬだとか、アドバイザーの天才数学者に恋心を抱く女性刑事とか。あるいはパイロットと恋仲になる女性整備士。どれもどこかで聞いたことがあるような、つっこみどころ満載の幼稚な恋愛観である。これはこれで面白い傾向だが、あまり参考にはならないか。
　と思って、次に理想のセックスについてアンケートを見てみると。