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社会学者サクラ教授のAVフィールドワーク
第3章 第二章 理想のセックス
由貴と申します」
と女性は自己紹介した。歳の頃は四十半ばか。シワや弛みが目立つが、美人の名残りが見受けられる顔だ。若い頃はモテただろう。ホステスみたいな派手なスーツを着ている。美由貴はテーブルを挟んだ、サクラの前のソファーに座った。
「経営者ということは、社長さんなの?」
「ええ。従業員八人の小さな会社なので。基本、お客様の応対は私がするんです」
「そうなんですか。八人で撮影されるんですか?」
「いえ、違います。我が社はAV製作会社ではないので」
「どういうこと?」
「我が社の業務内容は、ご存じですよね?」
「ええ。一般人に、AVの撮影を体験させてくれる、んでしょ?」
「はい。つまりお客様は、AV女優になるわけでも、AVデビューするわけでもありません。AVと同じシチエーションを体験していただくだけです。撮影した映像も、公開もしなければ販売もレンタルもしません。お客様の個人所蔵になります。流出を防ぐために、DVDに焼いてお客様にお渡しした後、映像データは消去します」
「ええ。サイトの説明で読んだわ」
「なので正確に言うと、我が社が製作するのはAVではないんです。アダルトビデオというのは、販売・レンタル用のポルノ作品のことですから。我が社が創るのは、お客様自身が自宅で観て楽しむだけの、個人的な趣味の映像です。市場に流通させる商品ではないので、AVではないんです。他に似たサービスがないので、例えるのが難しいんですけど、個人的な記念撮影ビデオのアダルト版、みたいなものです」
「なるほどね。市場で販売する商品じゃないから、成人式の時なんかに、写真館で記念に撮ってもらう写真と、カテゴリ的には同じわけね」
「そういうことです。なので、我が社はそもそもAV製作会社では
と女性は自己紹介した。歳の頃は四十半ばか。シワや弛みが目立つが、美人の名残りが見受けられる顔だ。若い頃はモテただろう。ホステスみたいな派手なスーツを着ている。美由貴はテーブルを挟んだ、サクラの前のソファーに座った。
「経営者ということは、社長さんなの?」
「ええ。従業員八人の小さな会社なので。基本、お客様の応対は私がするんです」
「そうなんですか。八人で撮影されるんですか?」
「いえ、違います。我が社はAV製作会社ではないので」
「どういうこと?」
「我が社の業務内容は、ご存じですよね?」
「ええ。一般人に、AVの撮影を体験させてくれる、んでしょ?」
「はい。つまりお客様は、AV女優になるわけでも、AVデビューするわけでもありません。AVと同じシチエーションを体験していただくだけです。撮影した映像も、公開もしなければ販売もレンタルもしません。お客様の個人所蔵になります。流出を防ぐために、DVDに焼いてお客様にお渡しした後、映像データは消去します」
「ええ。サイトの説明で読んだわ」
「なので正確に言うと、我が社が製作するのはAVではないんです。アダルトビデオというのは、販売・レンタル用のポルノ作品のことですから。我が社が創るのは、お客様自身が自宅で観て楽しむだけの、個人的な趣味の映像です。市場に流通させる商品ではないので、AVではないんです。他に似たサービスがないので、例えるのが難しいんですけど、個人的な記念撮影ビデオのアダルト版、みたいなものです」
「なるほどね。市場で販売する商品じゃないから、成人式の時なんかに、写真館で記念に撮ってもらう写真と、カテゴリ的には同じわけね」
「そういうことです。なので、我が社はそもそもAV製作会社では