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第3章 第二章　理想のセックス

ないんです。まあ、親会社はＡＶメーカーですけれども。それで、我が社には専属のＡＶ監督や撮影スタッフ、ＡＶ男優なんかはいないんです。それらはお客様の要望を聞いてから、親会社に依頼して派遣してもらうんです。だから我が社のスタッフは事務員だけなんですよ」
「なるほどね。分かったわ」
「では早速ですが。本日は我が《エキサイティング・エクスペリエンス》にお申し込みいただき、ありがとうございます。メールでも確認しましたが、我が社の『ＡＶ一日体験』をご希望されている、ということでよろしいでしょうか？」
「ええ。その通りよ」
「お客様本人が、撮影を体験される、ということでいいですか？」
「そうよ。私が体験希望者よ」
　分かりました。と美由貴はファイルを開いて、ボールペンを握った。そしてテーブルの上に、ＡＶ体験コースの内容を記したパンフレットを置いた。
「大きく分けてＡＢＣＤＥの五コースがあります。Ａは絡みなし、つまりセックス無しのコースです。お客様が裸になられて、それをイメージビデオのように撮影するだけです。男優がいらないので一番お気軽でお値段も手頃です。Ｂは絡みはあるが本番は無し。キスやペッティングはあるけど、セックスはしません。Ｃは本番有りのコースです。セックス有りのコースですね。ＤはＣを少しハードにしたコース。そしてＥは本物のＡＶとほとんど同じ内容の撮影をするコースです」
「へええ。具体的にＣとＤとＥはどう違うの？」
「Ｃは、素人っぽいソフトタッチのセックスです。普通の恋人同士みたいなセックスをしていただき、それを撮影します。Ｄは本格的なセックスです。ＡＶ男優がプロのテクニックでセックスします。けど、セックス自体は普通のノーマルなものです。Ｅは販売しているＡＶと同じように、様々なプレイでお客様をガンガン責めてイカ