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第3章 第二章　理想のセックス

女優やモデルと比べても、まったくヒケを取りませんよ。私てっきり、ＡＶ体験をしてそれをネタに売り出そうとしてる女優さんかと思いました」
「私、演技なんかぜんぜんできないわよ。愛想もないし」
「けどスゴイ美人さんです。へええ。有名な方だったんですねえ。しかも大学の教授さんだなんて。エリートじゃないですか」
「準教授だけどね」
「それでもスゴイですよ。それで、ＡＶの調査、ですか？」
「ええ」
「それは……。ウチのビジネスに、違法性があるかどうか、ですか？」
「違うわよ。私は警察でも検察でもないから。ついでに言うとセックス産業を敵視しているフェミニストでもないから。社会学の研究対象として、ＡＶを調査分析したいのよ」
「社会学って、そんなこともするんですか？」
「そうよ。基本なんでも有りの分野なの。流行りの若者言葉を研究している人もいれば、都市伝説を研究している人もいるし。オタク文化を研究している人もいるわ」
「それでお客様、泉佐野様は、ＡＶを研究してらっしゃるんですか？」
「べつにＡＶを専門に研究してるわけじゃないわよ。私のテーマは現代社会における恋愛とセックスだから。社会システムというと、いつも政治と経済ばかり取り上げられるけれど。結局どちらもどれだけ市民を幸せにできるか、よ。そして個人の幸せな生活に焦点を合わせた場合、恋愛とセックスは不可欠なの。いくらお金があっても、いくら名誉があっても、恋愛とセックスのない生活はとても幸せとは言えないでしょ？」
「まあ、そうですね」
「逆にお金が無くても、すごいイケメンの彼氏がいたり、モデルみたいな美人の彼女がいて、毎日気持ちいいセックスをしていれば、