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第5章 第四章　躾のセックス

幸せだと思わない？」
「そうですね。けどイイ女は金持ちの男になびきますけど」
「あら、そうとは限らないんじゃない？　いくら金持ちでもチビでデブなブサイクにはなびかないわよ。無職でも背の高いイケメンはモテるし。だからヒモっていう職業が成り立つわけで。女はシチエーションに酔うから、都会ならオシャレなＩＴ企業の正社員、地方なら独自の活動をしているエコロジーな農家、なんかがモテるわね」
「今世間で流行ってるモノに飛びつくってことですか？」
「ミもフタもないことを言えばね。あと、クリエイターやスポーツ選手はいつの時代でもモテるわ。女は衝動的だから、うまく女心をつかまないと。イイ服を買ったり高級車に乗ったり一流企業に就職したり。そういうことも突き詰めていく。結局はより良い異性を手に入れるためよ。そうでないなら、服なんかジャージで充分よ。安いし動きやすいし洗濯は簡単だし。車も動けば充分。軽自動車でこと足りるわ」
「なるほど。どうそれずモテるか、どんな付き合いやセックスをすればモテるか、という研究なんですね？」
「まあ、そうよ。幸福な恋愛とセックスモデルの構築よ」
「ＡＶ一日体験に応募されたのは、そのためですか？」
「そうよ。現代社会における『セックス』を様々な観点から分析しようと思って。大学で男子学生にアンケートを取ったら、かなりの数の学生が『理想のセックスはＡＶ』と答えたの。『一度でいいからＡＶみたいなセックスをしてみたい』ってね。つまり今の若い男性にとって、ＡＶこそ理想のセックスで愉悦の象徴なのよ。試しにＡＶを借りて観てみると、日本のＡＶの種類と多様さは、欧米に比べて群を抜いているわ。欧米のポルノムービーはただひたすらファックするだけだけど、日本は違う。よくこれだけ思いつくわね、というほど色んな種類がある。それってつまり、ＡＶは日本人男性のそれぞれの欲望の形に、全部答えてるってことよ。日本のＡＶは理想のセックスを日々具現化しているの。恋愛の最終目的がセックス