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高校生の性春・日記帳
第13章 8月3日 夏休みの出来事
(^_-)-☆ 8月3日 夏休みの出来事 ♪♪
高校生になってようやく1学期が終わって、強い日差しの夏休みを迎えると何となく何かが起こりそうな予感がして期待が膨らむのです。
白く湧き上がる入道雲とセミの声がことさらに、青いレモンの飛沫のような恋の出会いを煽るのかもしれません。
だけど僕は学校へ行く用事もなく、町のゲーセンをうろつくこともないので、恋の芽生える出会いなど期待できません。
だから今日は、花火大会を見に行きましょうとお母さんに誘われて、茨城のおじいちゃん家へ行くことになったのです。
茨城のおじいちゃんは68歳で、お母さんと絵麻叔母さまの実の父親です。3年前におばあちゃんを亡くして一人で海辺の高台に住んでいるのです。
昼ご飯を済ませて家を出て、電車を二つ乗り継いで駅前で買い物をして、おじいちゃん家に着くとお母さんは「ただいまー!」と言って土間から上がります。
おじいちゃんは居間の座椅子で足を投げ出し、ペットボトルの緑茶を口飲みしながら団扇をユラユラ揺らしています。
「おう、よく来たな。琢磨も元気そうじゃな」
「うん、おじいちゃん、こんにちは」
台所では近所に住むおばあさんが洗い物をして、そばで小学6年生のチコちゃんがこっちを見ています。チコちゃんはおばあさんの孫娘です。
「あら、真美さん、いらっしゃい。琢磨くんもよく来てくれたわねぇ」
「あらまあ、いつもすみませんねえ、父がお世話になりますわ」
「いいのよ、私は暇ですからねえ」
おばあさんは近所のよしみで、独り身のおじいちゃんの世話をしてくれているのです。