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12歳年下の彼と入籍する話
第1章 7月の…旅行の後の話……
『2人共…ゆっくりしててね?
グラス、お水汲もうか?
後の片付け…して置くから
ちょっと…これ飲んで
落ち着いて大丈夫そうになってから
お風呂入ってくれたらいいから』
すっかり…美味しくて…
口当たりの良さに飲み過ぎちゃって。
私も…足に来ちゃってて、
立てなくなってしまって。
軽くゆすいだグラスに
有翔さんがお水をサーバーから
汲んでこっちに持って来てくれて。
港斗君は…飲み過ぎちゃったら
いつも通りその場で寝ちゃうから。
來翔さんと…一緒に寝ちゃってて。
あの…4月の、お引越しのお礼の
宅飲みした時の事を思い出す。
グラスのお水を飲む時に…
手からグラスが滑り落ちそうになって、
こっちの手の上から、有翔さんが
自分の手を重ねて来て、支えてくれて。
『大丈夫…?このまま飲んで?
飲めそう?ちょっと手伝おうか?』
「す…いま…せん……、
お酒…美味しくて…
つい、…飲み過ぎちゃって…」
『頭が…大丈夫でも、
日本酒割と、足に来るからね…』
はいどうぞと…
グラスを支えながら
傾けて貰って。ゴクゴクと
喉を鳴らしながら冷たいお水を飲んだ。
『いいよ、友坂さん気にしないで…
昔からあんまり僕、酔わないからさ。
介抱するのは、慣れてるんだよね…』
と言うか…こう…
背中に手を添えられて
支えられてる…んだけどな……。
『ライトもミナトも…、
いつも通り、寝ちゃってるしね…』
多分…有翔さんに合わせてたら
皆酔いつぶれちゃうんだろうけど…。
お水を飲んだら…ホッとしちゃって
そのまま…眠気が…急に来て。
ふんわりと…自分の鼻の辺りを
掠めて来る…香りに…違和感を感じる。
あれ…?…この香り…。
いつもの…良く知ってる香りじゃ…ない…。
『眠たく…なって…来ちゃったの?』
そう…耳元で囁かれる声も…
知ってる…良く知ってる声じゃ…ない。
でも……ふわふわして…
気持ちが良くて…心地いい…。
ふぁ…っと…むにゃむにゃと
しながら巴があくびをして…。
スリスリと…自分の身体をすり寄せる。
「…すぅ…、すぅ……」
『もしかして、寝ちゃった…?』
「………すぅ、すぅ…」