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第24章 片想い

ウルフが俺様に

「帰りの用意をするように伝えてくれ。そして、家の近くまで送る用意があるとも」

と、言ったさ。このメンバーのなかで、一番、女性に優しく話しかけられるのは、俺様だってことは、メンバーの誰もがわかっていたから、自然な流れだった。俺は、バスルームの外というか、化粧室から、

「千佳子さん」

と、声を掛けた。失神していた千佳子も、シャワーを掛けられて、簡単にだが、洗われて、湯が入ったバスタブに浸けられるころには、意識を回復していた。虚ろな感じはあったが。その後、俺たちがバスルームの外に出ると、しばらくして、シャワーの音や、バスタブの湯が捨てられる音がしていたから、意識がしっかりしてきていることは間違いないと思ったから、名前を呼んだ。

「はい」

と、はっきりとした声が聞こえた。ウルフの言葉を伝えると、

「わかりました。私の鞄を取ってきて」

と、はっきりとした口調で話す千佳子。俺の後ろで、

「車の中か？」

と、訊く声がした。

「そうよ」

と、答える千佳子の声。

「わかった」

と、シーライオンが走って行った。頭を洗う音がしていた。身体も洗っているのか、シャワーの音が続く。シーライオンが千佳子のトートバッグを持って戻ってきた。

「持ってきたよ」

と、シーライオンが話すと、

「じゃあ、そこに置いて。そして、化粧室から出て行って」

と、言う声が聞こえた。俺様とシーライオンは、化粧室から出て、扉を閉めた。千佳子がバスルームから出て、この扉の鍵を閉めると思っていたが、そのような音はせず、数分で、ショーツとブラジャー、キャミソールを着た千佳子が出てきた。

はっきり言って、もう一回、やりたいって思うくらいに、俺様の陰茎はフル勃起していた。いや、俺だけじゃない。服を着ていても、俺たちの股間はテントを張ったようになっていた。そう、全員、フル勃起していたのさ。

千佳子は、さきほど、自分で脱いで畳んだ服を着た。物怖じしない。男が4人いるなかを、下着姿で歩き、自分の服を悠々と着て、鏡を見ながら身だしなみを揃えていく。簡単にメイクをして、リップクリームを塗って、完成だった。

「送ってもらう必要はないわ。ここからなら、自分の足で歩いて帰れるわ」

と、話す千佳子。ウルフが、

「大丈夫か？」

と、訊くと、ウルフを睨んで、フッと笑った。