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第34章 再会

「なぜ、そう思うの？」

千佳子は、自分の性格にいろいろ思うことがあるのかもしれない。それとも、性格について周囲から何か言われたことがあるのかもしれない。

「それは、あの状況で『やれるものならやってみろ！』という感じで、向かってくる女の子はいないからね。泣くか、媚びるか、許しを請うか、諦めるかだから」

と、本音で説明した。実際、そういうものだから。

「でも、私も諦めたわよ」

と、千佳子が言った。わかった。確かに、抵抗の末に、そして、やられたのは…。

「抵抗した末にね」

と、軽く訂正した。

「悶絶していたものね」

と、千佳子が笑った。そう。悶絶したさ。カウンターを受けて…。

「そう。あの驚きと痛みは今でも憶えているよ」

と、答えた。

「今でも痛いの？」

と、大げさに驚く千佳子。意外に、面白いところもあるのかもしれない。あんな出会い方でなければ、と後悔したが、

「そんなわけがあったら怖いよ。でも、あの瞬間、さらに好きになったのは間違いない」

と、真面目に答えた。でも、千佳子はあくまでも、冗談として、

「え？痛いと好きになるの？」

と、訊いてきた。

「んなわけない。それでは、単なるマゾだよ」

と、笑いながら返すと、

「そうよね。あなたたちはサディストだもの」

と、笑いを収めて、真面目な顔で、千佳子は話した。

「え？」

と、思わず、驚いた。

「そうなんでしょ。女1人に、男4人がかりで無理やりするのだから」

と、責めるような雰囲気の千佳子。でも、本気ではなさそうだったが、迂闊なことは言えないと感じた。

「まさか、そう来るとは思わなかったよ。ま、ベアーは気の良いヤツだけど、縄師だから、間違いなくサディストだと思うよ。でも…」

と、まで言って、言葉を探した。

「自分は違うと？」

と、笑顔を取り戻して話す千佳子。少し気が楽になって、

「どうして笑う？」

と、訊いた。

「私から見たら、同じだから」

と、千佳子は笑った。同じ…。そうかもしれない。