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秘密の花園
第3章 マスカレード


カチャリ…

見た目以上に重たい扉を押し開く。


嗅いだことの無い香の匂いが鼻をついた。


中に入ると
結構な広さの天井の高い部屋になっていた。

私と同じ格好をした男女が
そこここで談笑している。

なんなの?
ここで儀式?


入口で立ち尽くしていると
近くでソファーに掛けていた男性が私の方に歩いてきた。


「やぁ、此方へは初めて?」

自然と軽い口調で話しかけてくる。

私は軽く礼をして
彼に答えた。

『はい。何も知らないまま来てしまいまして…』


少し気まずかったが
正直に言った。


「この儀式は皆、何も聞かされずにやって来るんです。」


そう言いながら
さりげなく私を飲み物が置いてある場所まで連れていってくれた。

細いグラスに冷えたボトルから琥珀色の液体を注ぎ
私に渡してくれた。

自分の分も手にとると小さく乾杯した。


一口飲むと爽やかな味で
とても飲みやすい。

果実酒かな?

優しい男性に儀式のことを聞いてみた。

『こちらで、どの様な儀式を?』

「私たちが先祖から受け継いだ力を高める為の儀式ですよ」

『受け継いだ…力?』

私には何の事だか
さっぱり解らない。

 
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