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秘密の花園
第3章 マスカレード


一体いつ儀式が始まるの?

特に祭壇らしきものも見当たらない。

私が不思議に思って周りを観察していると

ふっと視界が暗転した。


香の匂いが一際強くなった気がして
どこかから聞いたことのない
呪文のような歌が聴こえてくる。


今までざわざわしていた式場が一気に静まって
私の緊張はピークに達していた。


暗闇に少し目がなれてくる。

大勢の人の気配と…

「はぁっ…はぁっ…」

と、乱れた息遣い。

何が行われているの?

私は目をこらして近くにいるはずの人たちを見た。




なに?これ…


目の前では男女が抱き合い
唇をあわせていた。

チュッ…チュッ…

時折リップ音が耳に届く。


彼らだけでは無かった。

そこにいる人々が
年齢性別関係なく
抱き合い、肌をさらし

唇に吸い付いていた。

なん…なの?

私には何が起こっているのか

全くわからなかった。


「…アン…あっ…」

近くでそんな声がして
そちらに目を向けると
女性の乳房に唇を寄せる男性の姿が目に入ってくる。

『ひっ…』

思わず声をあげそうになり
とっさに両手で口を塞いだ。


鳥肌がたち、後ずさると
誰かに抱きとめられた。

「これが儀式だよ…」


 
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