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秘密の花園
第7章 羽化
「正直に話してください。
私達にはあまり時間がありません。
何か心配事ですか?」
しゅんと俯いたままの私に
静かに語りかけてくれた。
『実は…今朝
早く起きてしまったので外に出たら…』
「外に?」
『ええ、ちょっとお屋敷の周りを歩いて朝の空気を吸おうと思って…』
「それで?」
『えっとあの…観てしまったんです
若い男女が儀式をしているのを…』
「儀式?」
『あの…城の儀式と同じ様に男女が抱き合って…
何度も忘れようと思ってるんですけど、
目を閉じると…思い出してしまって…』
俯いたまま一気に喋って
ちらっとラディンの表情を盗み見てみた。
ラディンは
難しい顔で少し考えていたけど
すっと立ち上がると私の方にやって来た。
「なるほど…それでは修行どころではありませんね」
えっ
もしかして
もう教えて貰えないの?
やっぱり怒らしちゃったんだ…
どうしよう…
「少し…荒っぽいですが…そちらの方向から行きます」
頭の上から聴こえていた声が
耳元で響いた。
「これから儀式と同じことをしましょう。」
?
訳がわからず目を見開いたままで固まっていたら
顔を覗き込んできたラディンの唇が私の唇にふれた。
チュッ…クチュ…クチュ…
直ぐに差し込まれた舌が口内を優しく這い回る。
ピチャッ…グチュ…
身体の芯がどんどん熱を帯びる。
口端から二人の唾液が滴り床を汚していく。
息をつくのも忘れ
甘美な感覚に酔っていった。