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秘密の花園
第9章 別れの夜に…
「それで、なんですが…」
今まで黙っていたラディンが口を開いた。
「シルク様は本当に良く努力され
目覚ましく進歩されました。
もうお城に戻って頂いても問題ないかと…」
やっぱり…ラディンは私を帰す気なんだ…
「えっ…それはまた急な…」
お父様も驚いている。
「休養も兼ねてもう少し居ていただいたら?」
お母様が優しく勧めてくれる。
「しかしながら国王様より短期間でとお願いされていますし
今頃王妃様とお二人、さぞご心配なさっていることでしょう」
「うーん、確かに。
シルク様のご意見はどうかな?」
お父様は私の意思を聞いている。
皆の視線が私に向けられた。
『わ、私は…』
ラディンともっと…もっと…一緒にいたい…
『…ラディン様の仰る通りに…』
「わかりました。では、明朝、出発いたします。」
ラディンが答えた。
明日の朝…
もう何時間もないじゃない…
「そう…か…
あ、帰りは私も同行させていただいても良いかな?シルク様」
『もちろん、構いませんが?』
ラディンと二人きりじゃなくてちょっと残念だけど…
「久しぶりに国王様のご機嫌伺いにでも行こうと思いましてね。
こんなことでも無ければお会いする機会が無いもので。」
『きっと父も喜びますわ』
私は精一杯の笑顔で答えた。
「そうと決まれば
今日は夕刻から宴だ。」
そう言うとラディンのお母様は皆に集合をかけに出かけた。