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第3章 チェスの天才、シヴの悩み［パリピ青年×チェスの天才］

エドガーに声をかけられたのはクラスが上がったころだと思う。久しぶりにチェスで難問に当たりずっと考えていた。授業が終わったことにも気づかないほどに。

パチン

「！」

目の前でスナップされ、シャボン玉が弾けるように現実の世界に意識を戻した。そして、彼____エドガーと目があった。
その瞬間、俺の世界が色づいたような気がした。初めて祖父にチェス盤を見せてもらった時のような感動を思い出した。

脳が痺れた。

「ギャンビット」

ずっと考えても分からなかった答えが一瞬でわかった。その後、どうやって帰ったか分からないがその日は日が昇るまでチェスをしていた。

それ以来、学校でエドガーに話しかけられるようになった。大したことじゃないのに話しかけられ迷惑だ。

彼は学校で見かけるたびに誰かと一緒におり、なぜ俺に構うのか分からなかった。次こそ聞いてみようと思ったが、どうしても聞けなかった。なぜか喉が詰まって吃音症のように喋れなくなる。

だから言えるように家で練習をしたりした。鏡の前で変じゃないように。

「何で俺に絡んで来る？」
「何で俺に絡んで来る？」
「何で俺に…

「し、シヴ、何か困っていることがあるのか？父さんに何でも相談してくれ」

義父に見られ、ものすごい目で見られたが、気にせず練習をした。