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花魁〜OIRAN〜
第13章 妬み
夕霧人気は天井知らずで、水揚げから一年もしないうちに翆明楼一を誇る花魁になっていた。


若く優しい夕霧。


何より遊女特有の嘘が無く、本気で感じてしまう不器用さがどんな客にも愛され、夕霧に入れ込んで身上をつぶした客まで出る始末だった。

しかし古くからいる遊女たちにとっては、当然面白いはずはない。

自分の馴染みの客までが、こっそり夕霧の元に通っている、それも何倍もの金子を工面してまで…

わけても、夕霧が店に出るまで翆明楼一の名花だった桔梗という花魁の怒り妬みは凄まじいものだった。

「ついこの前まで痩せこけた山猿だったくせに。こずらにくい夕霧め。今に見ておれ。」

桔梗は秘かに夕霧を痛め付ける方法を考え巡らしていた。

そしてこともあろうに自分の馴染み客の中でも最もたちの悪い、悪事で金を儲け、牢獄に入るスレスレで生き抜けているような客に相談を持ちかけたのだ。

「お頼みします。旦那様。あの山猿の夕霧が二度と花魁なんて張れぬよう、痛めつけて下さいまし。あちきはその為なら何でもするでありんす。」
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