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第13章 日常



 席に戻って、まず相馬に、おはようって言おう。
まだ始業から三十分、手遅れではないはずだ。
今話し掛けることができなければ、ずっと気まずい空気を引きずってしまう。



 おはよう、おはよう、そう脳内でイメトレしながら執務室に戻って、でも、自分の席が――相馬の背中が近づくにつれ、やはり怖じ気づいて歩調がのろくなる。
相馬は怒っているだろうか。
呆れているだろうか。
相馬の背中がいつもより丸い気がするのは、私の考えすぎ?



「相馬! 今ちょっといいか?」

 私の後ろから、違う声が掛かって、相馬が振り返った。
声を掛けたのは同じチームの先輩だった。
私が思わず足を止めたのは、後ろの声に驚いたからでも、相馬が振り返ったからでもなく、振り返った相馬の顔を見たからだった。
出勤したときは、正面きって顔を見ることができていなかった。

相馬の顔を見て私が思ったことを、背後に立つ先輩は、にべもなくそのまま口にした。



「うっわ、酷ぇ顔。どした?」

 相馬は、クマがくっきり浮いた、青い顔をしていた。


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