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第17章 顔色



彼のカレンダーには、今日の午後に顧客訪問の予定が書いてあった。
大丈夫だろうか。代役とかお願いしただろうか。私は聞いていない。



 彼の体調不良が私のせいなら、私が埋め合わせなければならないのに。
でも、訪問を私に行かせるのって、信用ならないよね。
私が、営業のくせに人と話すのが苦手なのは、以前から彼は知っている。

私のせいなのに、私は何の役にも立てない。

自分の無力さに嫌になっていたら、午後になって相馬は出勤してきた。



「おはようございます」

 彼は鞄も置かずに、

「資料取りに来ただけなんで」



 私がろくに挨拶もできないうちに、出ていこうとする。
そこを、近くの席の先輩が呼び止めた。



「相馬……そのまま行くの?」


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