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unbalance
第23章 口元
相馬に背中を支えられながら廊下に出て、相馬が脱ぎ捨てた服を横目に洗面所に入る。
あのスーツのズボン、大丈夫かな。
変な皺がつきそうだけれど。
髪が汚れないように掻き上げながら、洗面台に顔を伏せって白いねっとりした液体を吐き出す。
何かを吐く姿なんて見られたくなかったけれど、相馬はすぐ傍にいて、私の背中をさすって、それからコップに水道の水を入れた。
私は受け取って口の中をすすぐ。
相馬だって、自分のを吐き出すところなんて見たくないんじゃないのかな。
どうなんだろう。男ってわからない。
「大丈夫?」
私は頷きながら二度、三度とうがいをして、顔を上げた。
「大丈夫。ありがとう――」
不意に、相馬が私を後ろから抱き締めた。
「ごめん。無理やりだった」
そんなことはない。私が始めた。
「ありがとう。気持ちよかった」
相馬が腕にぎゅっと力を込めて――その腕を片方、ブラウスの中に滑り込ませた。
「ちょ、相馬!?」