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unbalance
第26章 コンシーラー
作る資料のリストはスプレッドシートにまとめてある。
その場にいたら、パソコン画面で見せれば一発だったのに。
仕方がないからその内容をチャットにコピペ――いや、面倒だな――私は、スプレッドシートのファイルごと、相馬に共有を掛けた。
『これでいい?』
ややあって、返事が来た。
『すげーちゃんとまとまってんじゃん。さすがです、ありがとう』
それはいいけど……。見てどうすると言うのだろう。
会話は結局それだけで幕を閉じて、私は作業に戻った。
結局、要らぬことを考えないようにするには目の前の作業に集中するしかなくて、パソコンとにらめっこしているうちに、時間はのろのろとでも進んでいった。
幸いやることは山のようにある。
いつのまにか、相馬は外回りに出たらしかった。