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unbalance
第26章 コンシーラー
「……来週分は、約束の範囲外でしょ」
今日だけ手伝ってもらうという約束のはずだ。
残業の時間分、できる限りのお手伝いをしてもらうという話だと私は認識していた。
終わるかどうかは、私の責任のはずだ。
「どうして、ここまで」
「そりゃまあ、霧野の役に立ちたいですから」
……また、調子のいいことを。
「っていうのも、もちろんあるんだけど」
相馬が言い淀んで、私は顔を上げた。
「実は……これは相談なんで、ノーと言ってくれてもいいんだけど……」
相馬が頭を搔く。
「今夜、なんかすごい人が集まる飲み会があるらしいという情報を入手しまして」
「……呼ばれたの?」
――それは、とても相馬らしくて、いいなと思った。
「今日午前中に訪問したとこで、よかったら顔出してみるかって言われて……」