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unbalance
第26章 コンシーラー



「飲み会行く前に直せてよかったね」

「うん、ありがとう。戻ってきて正解だったわ」

「戻ってこないかもしれなかったの?」

「ん、まあ、この話以外、用なかったし」



 このためだけに戻ってきたのか。

「電話でもよかったのに」

「謝罪はできるだけ対面がポリシーなんで」



 ……ほんと、そういうとこよ。



「霧野の顔も見たかったしね」

 冗談だとわかっているのに頬が赤くなるのを、相馬に馬鹿にされるんじゃないかと思って咄嗟に顔を伏せる。



「ま、こうやってコンシーラーも直してもらえたわけですし」

 動画とかいろいろ見て調べたんだけどな、とぼやく相馬に、冗談じゃない、
こっちはもう十年研究しているのだ。
一朝一夕で真似されては困る。


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