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unbalance
第27章 通知

「明日、ぜったい戻ってくるから。仕事終わったあと、話せるか?」
「う……うん」
俺の勢いに気圧されるように、霧野は頷いた。
「あと」
鞄を取って、霧野に背を向ける前に、
すみません先輩、もうちょっと。
これだけ言わせて。
「俺は、ずっと本気だから」
「……うん」
霧野の声は蚊が鳴くようだった。
肩を縮めて頭から湯気が出そうなほど顔を真っ赤にする霧野に、
――だから、そういう反応されると、期待するんだって。
「じゃ、お疲れ。また明日」
「お、お疲れ。気をつけて」
俺はそのまま会社を出た。

