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unbalance
第28章 先約
ちらりと横の席を見る。相馬はつまらなさそうな顔で、パソコン画面を見ていた。
――相馬なら、急な接待でも、上手く気に入られて帰ってくるんだろうな。
なんて、私は相馬じゃないのに。
『俺がやっておける作業あったら置いてってくれたら残業するけど』
それについては、
『大丈夫。今日までに出す分はもう出しちゃったし、来週頭ってことになった分は、あとちょっとだから月曜日で間に合う』
昨日十一時まで会社に残っていろいろ進めてしまった。
相馬に手伝わせたくなくて――否。
家で独りになるのが怖くて。