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unbalance
第29章 約束
相馬からの短いメッセージが残っていた。
『やっぱできれば今夜どこかで話したい』
一時間前のメッセージだった。
もう気づかないかもしれない、と思いながら、一応返信だけする。
『お疲れ様。今終わりました』
意外にも、すぐに反応が来た。
『今どこ?』
ええと、今は、と次に停車する駅名を確認しているあいだに、相馬から追加でメッセージが来た。
『どこでも行くから。霧野の家の最寄り駅でもいいし、そこまで来られるの嫌なら、途中の乗り換えの駅とか』
何だか、ずいぶんと――焦っているように見えた。
『悪いよ、そこまで』
『こちらこそ、疲れてるところ付き合わせて申し訳ない』