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unbalance
第29章 約束
『月曜日じゃだめなの?』
まだ夜九時前、普段の残業からしたら早い時間だった。
もし相馬がうちの最寄り駅に来てくれるのであれば、ちょっと話すぐらいなら億劫でもない。
しかし、相馬は定期券も持っていない。
わざわざ来させるのもどうかと思ってそう聞くと、
『ごめん。このまま土日越えるの無理そう』
それは……私の返事が気になりすぎて、ってこと?
だとしたら、――めちゃくちゃ可愛いけど。
いや、だめだ。
私は一人、頭を振る。
そうやって、都合のいい女にはならないって誓ったじゃん。
何、絆されそうになってんの。
だからターゲットにされるのよ。
仕方がない、これで最後だ。付き合ってあげよう。