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第30章 個室



 ――……ずるい、よ。

 この相馬の笑み――もうぜったい、私の返事なんてわかってるって顔じゃん。

 私はこんなに、ぎりぎりだというのに。



 私は相馬のあとを追うように、カクテルを一口飲んだ。
見ための大人っぽさに反して、お酒感はなくて、とても飲みやすい。
甘すぎず、すっきりとさわやかで、ちょっといいジュースみたい。



「おいしい?」

「……おいしい」

「よかったじゃん」



 ……そんな優しく微笑まないで。



 私は相馬の顔から視線を外すように俯いた。
赤いカクテル越しに、グラスの細い足を握る自分の指が覗く。



 何か言い返してやろう、なんて考えても、私に思いつく言葉なんてなくて、私に上手に会話を運ぶ能力なんてあるわけなくて、無意識にグラスを口元に運ぶ。
何だか頭もうまく働かない。
あれ? もしかしてこのお酒、強い?



「……三年前さ」

 相馬が沈黙を破って、私は視線を上げた。


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