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unbalance
第31章 ラフロイグ
「ま、別に俺、女子混じった鍋とか平気でつつけるけどね」
「私だってそうよ」
「なーんだ」
何でもないノリで相馬と喋れることにほっとした。
「せっかく奢られるんだから、霧野も遠慮しないで飲めよ」
「何、酔わせたいの?」
半ば冗談、半ば断り文句のつもりで言うと、相馬は急に大人しくなった。
「……ごめん」
「えっ」
「よくないよな、そういうの」
私が黙っていると、相馬がいきなり立ち上がった。
「俺も、トイレ」
「あ、うん、行ってらっしゃい」
私が呆けているあいだに、相馬はさっさと行ってしまった。