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unbalance
第33章 コスモポリタン

「レディキラーってのは」
私がわかっていなかったのはお見通しらしい。
相馬がカウンターに戻るマスターの背中を一瞥して、解説を添えてくれた。
マスターさんの「彼女」呼びを修正するタイミングは結局逃したままだった。
「女の子でろでろに酔わせてお持ち帰りできるってことで、強いのにお酒っぽくなくてごくごくいけちゃう酒をそう言うんだよ」
あー……なるほどね……お持ち帰り、か。
お持ち帰りなら、酔ってなくてもされましたけどね。目の前の男に。
「あんま束縛みたいなことしたくないけど……霧野、あんま外では飲みすぎんなよ」
「何、もう彼氏面?」
「……そうだよ」
相馬が目を逸らす。
「酒飲むと霧野、……めちゃめちゃ可愛くなるから」

