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unbalance
第34章 ロングアイランドアイスティー

口にして、自分の言ったことにあとからぎょっとする。
「べ、別にね!? 真っ当な関係になるつもりだったとかじゃないんだけど!
もうとっくに諦めてたし!」
待て待て、諦めるってなんだ。それはつまり、諦める前は――
「ち、違うの、そういうんじゃなくて……」
「そういうんじゃないの?」
「そ……」
「俺はずっと、そういうんだったけど」
躊躇いもなくそう言われて、言葉が出なくなる。
私が固まっていると、相馬が突然テーブルに崩れて突っ伏した。
漏れ聞こえた小さな声は、
「なんだよ、それ」
あ……耳、赤い。
「なんだよ、それ……っ」
語彙力もなく相馬は同じ台詞を二回言った。
長く息を吐き、それからようやく体を起こした相馬は、頬も赤かった。

