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unbalance
第34章 ロングアイランドアイスティー

「霧野」
「は、はい」
「俺、その……いろいろ、酷いこともしたし、言ったけど……一応、霧野のことだいじにしたいとは思ってるし……嫌なことは嫌って言ってくれたらしないし……」
話しながら相馬は、顔を上げず、自分のグラスから立ち上る泡をじっと見つめていた。
ああ――この人、本当に、本気なんだ。
本気で、私に振られる可能性を考えてるんだ。
「愚痴とかいつでも聞くし。疲れたらいつでもうち泊まっていいし、霧野がセックスしたいときはいつでもするし、したくないときはしないし、」
ちょちょちょちょっと!
普通の音量でそういうこと言わないで!
「仕事も手伝うし、霧野に仕事持ってこないように裏で根回しでも何でもするし。使えるよ、俺、いろいろ」
「そ、そんな、」
思ってもいない話の方向に、私は慌てる。
「そんなつもりで相馬と付き合うんじゃない、」
「じゃあどういうつもりなら付き合ってくれる?」
相馬が急に顔を上げて身を乗り出した。

