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第34章 ロングアイランドアイスティー



 相馬を感じたい。
 相馬が欲しい。
 これからも、ずっと。



 それはもう否定できない感情で、誤魔化して隠して見て見ぬ振りをできていた一週間前が信じられないぐらいに、もう一度蓋をし直すのは不可能に思えた。



「私も……その……えっと……」

 相馬みたいに、口が上手くない。人付き合いも上手くない。
それでも、好きな人に好きと言うぐらい、やらなきゃ。
相馬は言ってくれたんだ。私も、言わなきゃ。



「相馬のこと、だいじにしたいとは、思ってて」

 ちらりと相馬を見る。相馬はじっと黙って私を見つめていた。

「その……今までいろいろ傷つけたり、悩ませたりしてごめんなさい……。これからは……」

 これからは具体的にどうすればいいか、何も出てこなくて、陳腐な言葉しか思い浮かばない。

「これからは……えっと……」



「霧野」

 相馬の声が冷たい。

「何が言いたいのかよくわかんないんだけど」



 どきり、と目を泳がせる。


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