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第36章 歯磨き



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 二人ともお風呂に入って、二人とも歯磨きを終えたら、もう二時近くになっていた。
普段だったらもうとっくに寝る時間……だけれど……。



 相馬が先に私をベッドに寝かせたあと、電気を消して、自分もベッドに入る。
私の目が暗闇に慣れる前に、相馬が私をぎゅっと抱き締めた。



「霧野」

 頬に手を添えられて相馬のほうを向くと、相馬の唇が、私の下唇を柔く食む。

「おやすみ」



 相馬はそう言ったのに、そう言ってからも、私の唇を食むのをやめない。

「ん、む……」

 あ、だめ……気持ちいい。



 相馬が舌先で、私の口の端をちろちろと舐める。
無意識に、舌を出していた。
さっきの続き――さっき、駐車場で中途半端に高められた熱を、私の体は忘れていなかったらしい。
もう寝るんでしょ、おやすみなさい、と、相馬を押し返すことが、どうしても、できない。
やめないでほしい。もっとしてほしい。ずっとしてほしい。


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