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unbalance
第38章 いたばさみ



 出てしまう前に、と、俺は急いで霧野と壁の間に身体を捻じ込ませて、霧野に横を向かせた。
そのおしりに自分自身を挟み込んで、両側から手でぐっと押す。

 あー、気持ちいい。



 腰を前後に振ると、霧野の柔らかい尻肉が形を変える。
このまま出したい。
寝ている霧野を勝手に犯している罪悪感がちらりと胸を過る。
俺、やっぱり霧野のことだいじにできそうにない? 
いやいや、先に寝た霧野が悪いんだって。
挿れないだけ優しいってもんだ。
霧野に嫌われたくない、でも気持ちよくなりたい――



「え、」

 霧野の声がして、俺は尻から目線を上げた。

 霧野が上半身を捻って、俺のほうを見ていた。
混乱の表情をしていた。



「ごめん、入れてないから、」



 弁解から入ったのは、正直ダサかったと思う。

「イっていい?」



 何が起こっているのか霧野は理解したようで――一瞬で、女の顔になった。

 あーもう、ほんと好き。



「出すよ、」



 霧野の背中にぶっかけている気分になりながら、俺はゴムの中に白濁を吐き出した。


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