この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
unbalance
第39章 熱

身体にはブランケット。
カーテンの隙間から刺す日光は真夏のそれだった。
部屋を見渡して、時計を探す。
あいにく、壁掛け時計や置時計はなかった。
私の腕時計は、お風呂に入るときに鞄に仕舞っちゃったし。
スマホはどうしたっけ、と起き上がろうとすると、全身が鉛のように重かった。
さもありなん、だって昨夜はあんなに――
――相馬は?
す、と気温が下がった気がした。
どうしていないの。
お風呂かお手洗いかな。
何とか上半身だけ起こして、ブランケットを肩から被って胸元を隠す。
相馬がいつ戻ってきてもいいように。
耳をすますけれど、廊下のほうも静かなものだった。
聞こえてくるのは、エアコンと冷蔵庫の機械音だけ。

