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unbalance
第39章 熱

……いやいやいや、買い物にでも出たんでしょ。
そもそも相馬の家なんだし、ぜったいに帰ってくるってわかっているのに――
本当に?
帰ってこなかったらどうしよう?
いやいや、そんなわけない――本当に――?
がちゃ、と廊下でドアが開く音がして、ようやく生きた心地がした。
部屋に入ってきた相馬が、ぎょっとした顔をして、レジ袋を取り落とした。
「……っ、何で泣いてんだよ」
慌てたように私に駆け寄って、私の肩に腕を回した。
「ごめん、悪かったよ。無理させたよな」
……何が?
私のきょとんとした様子を察したのか、
「昨日……やりすぎたからじゃないの?」
ちょっと笑った。自覚あるんだ。

