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unbalance
第40章 泡

「ん、ちょっと、相馬、」
「優人って呼んでくれないの?」
……だって……、
「昨夜は呼んでくれたじゃん」
「どうすんの、会社でぽろっと出ちゃったら」
「俺は美愛に迷惑掛けるようなことはしないよ」
……すぐセクハラ言うくせに。
「私、自信ないよ」
相馬にぬるぬるの手で体中を撫でられながら、声が揺れないように気をつけながら、何とか会話を続ける。
「俺は、いいよ。会社で優人って呼んでもらっても」
「だめだよ!」
それは、だめでしょ。
「え、じゃあ、会社の人に付き合い始めたって言っちゃだめ?」
え、言う気でいたの?
「……美愛が嫌なら言わないけど……」
相馬の手が止まる。
「どうしても、一人だけ、口止めもちゃんとするから……だめ?」
「誰?」
薄々察しながら聞いてみる。
相馬の口から出たのは、案の定、相馬がいちばん仲の良い、チームの先輩の名前だった。

