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第40章 泡



「でも、今はそういうこと、してない、でしょ」

「そうだねえ。じゃ、流そっか」

「あ、まだ、」



 立ち上がった相馬の肩を、思わず握る。

「何?」



 いじわる……。



「俺、見えてないから。洗えてないとこあった? 教えて」

 肩に掛けられた私の手を取って、相馬は自分の手首を握らせた。



私はその手を、そろそろと、自分に近づける。

「どこ?」

 相馬が私の耳元で囁く。

「んっ……ここ……」



 相馬の手のひらを、自分の足の間に近づける。
肌より先に、毛先がくしゃりと形を変えた。


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