この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
unbalance
第6章 睡魔



普段の私だったら、相馬の前で気を許すなんてとんでもない、はずなのに――
どうでもいいや、と思った。
ぜったいに社内では言わないようにしていた本音が、漏れる。



「相馬は、すごいよ。順位とかじゃなくてさ」

「俺は、やりたくない仕事断ってるだけだろ」

「断れるのが、すごいと思う。断っても嫌な顔されない人間関係を、ちゃんと作ってるから。それって相馬の努力じゃない?」



 毎日定時で上がる人だと既に周りに認識されているので、誰も相馬に余分な仕事は持ってこないし、断っても顰蹙を買ったりしない。

結果を出しているのももちろんあるだろうけれど、それ以上に相馬が、みんなに好かれているから。



 上司や先輩に可愛がられて、同期と後輩に慕われて。
忙しそうにしてるとリーダーが心配してくれたり、資料作りが下手なのを見かねて、社内のお局が手直ししてくれたり。



 それって、ぜんぜん偶然なんかじゃない。相馬が、すごいから。



 それは相馬の営業戦略にも表れていて、相馬は資料なんてなくたって、足繁く通って口で説明して契約を取ってくる。
取り引き先の偉い社長に、息子みたいに可愛がられていたりする。
私とはまるで違う。
資料作りが終わらない私を後目に、いつも定時で颯爽と帰っていく。



 ずるい、とは言わない。ただ、羨ましいとは思う。

 これが、生まれ持っての才の違いか、と。



「……それにしても、部長は霧野にばっか仕事持ってきすぎだけどな」


/193ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ