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第8章 返事



 あれ、どうやってやるんだっけ。
こんなに痛いんだっけ。
久々すぎて覚えていない。どうしよう。

 だめだ、痛い……でも痛がることなんてできない。

 私から誘っておいて、痛くてできませんなんて、どんな酷い女だ。最低だ。
どうしよう、どうしよう――



「大丈夫?」

「……平気っ」

 平気な振りをしていれば、大丈夫、私はどうなっても、相馬に悟られなければいいんだ。
たぶん、入れれば入るし。入ったことはあるもん。
相馬がしたいようにして、気持ちよくなってくれればそれで、



「落ち着いて」

 彼の手が私の頬に触れた。
いつの間にかぎゅっと瞑っていた目を開くと、身を乗り出して心配そうに私を見る彼の顔が近くにあった。

「ゆっくり息吸って」

 言われてはじめて、肩で息をしていたことに気づく。
言われたとおり、ゆっくり深く息を吸ってみる。

「吐いて」

 口を細く尖らせて、長く息を吐く。

「力抜け。痛かったら言えよ」

 そうか……力を抜けばいいんだ。


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