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unbalance
第11章 奇跡
少し固くなった布が、ぬるりと滑る感触がした。
染みるほどではないけれど、
……濡れてる。
もう少し撫でてみる。
昨夜相馬に撫でられたところ。
昨夜相馬が舐めてくれたところ。
昨夜相馬が――入ってきた――、
欲を剥き出しにした彼の目が鮮明に記憶に焼き付いていた。
やばい。気持ちいい。
だめなのに、手を止められない。
相馬にされたことを思い出しながら、敏感なところを布越しに触る。
「そう、ま、」
寝起きの掠れた声で囁いてみる。
目を閉じれば、まるで相馬がしてくれているみたいで、腰が勝手にもぞもぞ動く。
やめなきゃいけないのに。
すぐそこに相馬がいるのに。
いつ帰ってくるかもわからないし、そもそも相馬のこと考えてするなんて、相馬に申し訳な――
背後でガチャリと音がして、私は慌てて手を抜いた。