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unbalance
第11章 奇跡
鉛のような体に何とか鞭打って体を起こす。
カーペットとはいえ硬い床の上で、しかも相馬に後ろからブロックされて、よく眠れるわけがなかった。
それでもばきばきの体を無理やり起こしてベッドの上を見ると、昨日私がくしゃくしゃにしたブランケットの横に、お風呂場に干してあった服が、ハンガーを通したまま置かれていた。
――さっさと着替えて帰れってこと……か。
言われなくたってそのつもりよ。
お風呂場のほうから、微かにシャワーの音が聞こえてきた。
相馬がお風呂を出るまでに、着替えてしまったほうがいいだろう。
場所とかいろいろ気を遣うより。
ため息をつきながら立ち上がる。
重い体を引きずって服を着替える。
そうだ、そういえば昨日は歯も磨かずに寝てしまった。
お風呂に入ったあとで汗もかいてしまったのに……臭くなかっただろうか、
と、ついさっきまで相馬に抱き締められていたことを思い出し、下半身がまたきゅんとないものねだりをする。
いやいや。
一回寝たぐらいで執着する、面倒くさい女には私はならない。