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Memories-あの日のあの人は
第5章 遂に
遂に私の時代が来たと思ったわ。
樟蔭中学の女の子は自転車通学。
プール学院中学の女の子は進学でどこか別の学校に通うことになったのだろう。
朝の満員電車のあの時間のあの車両、あの扉から乗るのは、私と『彼』だけ。
私は、『彼』に近づいた。『彼』の後ろに並んで。
3年間、ほぼ、毎日、同じ時間の同じ車両の同じ扉から乗って、顔馴染みだった。
お互いに名前も知らない関係だけど、『彼』は、いつもの四天王寺中学の女の子という感じでは理解している感じだった。
『彼』の傍にいれば、もしかしたら…。と淡い期待を持っていた。そして、実際、彼は、中学のときでも、樟蔭中学の女の子もプール学院中学の女の子もいないとき、私の『彼』の後ろにいて、扉と『彼』の間になったときには、守ってくれているような雰囲気だった。
扉のガラスに手をついて、私に、大人たちの圧力がかからないようにしてくれているように感じていた。
実際、『彼』の息を感じるくらいに、至近距離になったこともあった。
でも、違う…。それはわかっていた。
樟蔭中学の女の子のときのように、『彼』は、鼻先をくっつけない。それは、仕方がない。友達でもなんでもないのだから。そして、当然だけど『彼』は微笑まない。そして、話さない。それも、仕方がない。友達でもなんでもないのだから。
プール学院中学の女の子のときのように、私が『彼』に身体を寄せるわけにはいかない。それも、仕方がない。友達でもなんでもないのだから。
形は似ていても、違うことはわかっていた。
でも、高校1年生の秋。文化祭。
私は、友達と、清風中学・高校の文化祭に行った。そう、『彼』を探しに。
四天王寺中学・高校も、清風中学・高校も同じ仏教系で、文化祭に行くことは禁止されていなかったと思う。だから、行ったのだと思う。
でも、行かなければよかった。
私は友達と一緒に行ったけど、ずっと、『彼』を探していた。マンモス校の清風。でも、当時はあった、円形校舎の裏で『彼』を見つけた。
『彼』だ。私は、そっと、後を追いかけた。
樟蔭中学の女の子は自転車通学。
プール学院中学の女の子は進学でどこか別の学校に通うことになったのだろう。
朝の満員電車のあの時間のあの車両、あの扉から乗るのは、私と『彼』だけ。
私は、『彼』に近づいた。『彼』の後ろに並んで。
3年間、ほぼ、毎日、同じ時間の同じ車両の同じ扉から乗って、顔馴染みだった。
お互いに名前も知らない関係だけど、『彼』は、いつもの四天王寺中学の女の子という感じでは理解している感じだった。
『彼』の傍にいれば、もしかしたら…。と淡い期待を持っていた。そして、実際、彼は、中学のときでも、樟蔭中学の女の子もプール学院中学の女の子もいないとき、私の『彼』の後ろにいて、扉と『彼』の間になったときには、守ってくれているような雰囲気だった。
扉のガラスに手をついて、私に、大人たちの圧力がかからないようにしてくれているように感じていた。
実際、『彼』の息を感じるくらいに、至近距離になったこともあった。
でも、違う…。それはわかっていた。
樟蔭中学の女の子のときのように、『彼』は、鼻先をくっつけない。それは、仕方がない。友達でもなんでもないのだから。そして、当然だけど『彼』は微笑まない。そして、話さない。それも、仕方がない。友達でもなんでもないのだから。
プール学院中学の女の子のときのように、私が『彼』に身体を寄せるわけにはいかない。それも、仕方がない。友達でもなんでもないのだから。
形は似ていても、違うことはわかっていた。
でも、高校1年生の秋。文化祭。
私は、友達と、清風中学・高校の文化祭に行った。そう、『彼』を探しに。
四天王寺中学・高校も、清風中学・高校も同じ仏教系で、文化祭に行くことは禁止されていなかったと思う。だから、行ったのだと思う。
でも、行かなければよかった。
私は友達と一緒に行ったけど、ずっと、『彼』を探していた。マンモス校の清風。でも、当時はあった、円形校舎の裏で『彼』を見つけた。
『彼』だ。私は、そっと、後を追いかけた。