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SSS-EX 世紀末青春子守唄
第3章 『目を閉じておいでよ』
小学校6年間。毎朝、ハグする関係ってどんな関係?幼稚園からというと凄い長い時間。凄い回数。世間の夫婦が付き合って結婚して死ぬまでするセックスの回数より多そう。

細身でスラッと背の高いお嬢様な『ゆか』。樟蔭中学・高校の白い夏服も、深緑の冬服も似合った。その横に立つ、『ヒロ』は、なんとなく、弟。

165cmはある『ゆか』と、160cmくらいの『ヒロ』。清楚なお姉さんと、ヤンチャな弟という感じ。

でも、それを気にしているのか、『ヒロ』は、いつも『ゆか』と名前を呼び捨てにしていた。私のことは『ともちゃん』。『かよ』のことは、『かよちゃん』と、「ちゃん」をつけて呼ぶ『ヒロ』。

思い出してみれば、私も『かよ』も、彼を『ヒロくん』と、「くん」付けで呼んでいた。だから、やはり、『ヒロ』と『ゆか』と呼び合う、2人は何か違った。

それに、『ゆかちゃん』は、『ヒロくん』を学校の友達にも紹介していた。そう、『幼馴染なの』って。

でも、私も『かよ』もそんなことはできなかった。

それも、多分、偏差値という縛りがあったのだと思った。

当時の四天王中学・高校で、星光の男子と仲良くなったら、まず、同級生に紹介して、それこそ、誇るって感じだった。

でも、清風はその対象外。『翔んで埼玉』風に言えば、

「清風には、プール学院とでも付き合わせておけ」

みたいな風潮があった。一度、『ヒロくん』と、たまたま、上本町の「ハイハイタウン」という、「ダウンタウン」とは正反対の建物の近くですれ違って少し話しただけで、それを見た級友に、

「清風男子と付き合いあるの?」

と、軽蔑の眼差しで言われて、内心、好きだったのに、

「家が近所なだけ」

と、答えて、自分に嘘を吐いた。

「しつこくされるようだったら先生に言った方がいいよ」

と、その級友はアドバイスしてくれた。多分、親切心で言ってくれていたのだとは思うけど、四天王寺中学・高校の女子にとって、清風中学・高校の男子はそういう位置づけだった。

それ以上、近づくな!っていう扱いされる存在。偏差値という束縛は、教員にも及んでいた。いつだったか、鶴橋駅に今もあるロッテリアで、『ゆかちゃん』と、一緒にいたら、職員室に呼び出され、

「帰宅途中に飲食店に立ち寄ることは許されません」

と、注意され、そこまでは理解できた。
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