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第1章 妻狩り依頼・高慢女の鼻を折れ

　　　ラウンジでも読むのですか？そういうジャンルの小説も


俺は興味があった。

インタネット上だけで人気で、実華子が１人読むのか、
それとも、ラウンジでも会員の前でも読むのか。


　　　一度、ラウンジも読んだことがあります。

　　　会員さんから熱烈にお願いされて。

　　　でも、途中で息苦しくなって。


と、答えた。


　　　それは、状況を想像して、
　　　自分がされているように感じたからですか？


と、俺は想像で聞いた。


　　　そうです。読んでいると、痛みすら感じます。


と、話す実華子。なるほど・・・。感受性が強いということなのか。


　　　会員さんは、そんな実華子さんに欲情しないのですか？


俺は、気になったことをそのまま言葉にした。

もし、俺が、その場にいたら、官能小説を読んで、
状況を想像して悶える女性を目の前にしたら、
我慢できる自信はないと自覚していたからだ。


　　　さっきも言いましたが、会員は少ないのです。

　　　減少の一途です。そして、高齢かも進んでいます。

　　　ラウンジに集う会員さんの平均年齢は、８０歳くらい。

　　　後期高齢者がほとんどです。


と、話す実華子。


　　　そんなに高齢者ばかりなのですか？


と、思わず聞き返すと、実華子はうなずいた。


　　　インタネット上の官能小説サイトを閲覧している人や
　　　小説を書かれている人は、５０歳代が多いと聞きますが、
　　　朗読会に、お金を払って来場するのは、高齢者だけです。
　　　その方々のお陰で、運営で来ているわけですが。


と、教えてくれた。


　　　お金を払ってと言いますが、どれくらいの金額なのですか？


と、興味本位で聞くと、笑いながら、


　　　津曲さん、興味があるの？


と、聞き返す実華子。


　　　どれくらいするのかは興味がありますね。


と、素直に答えると、少し落胆した感じの実華子。


　　　ひとり、ワンドリンクで５，０００円と消費税。

　　　いつも、１０人未満で、一日に３回、朗読します。

　　　でも、常連さんは、毎日、来られますから。


と、答えてくれた。

意外に、高額だと思った。読むだけで、５，０００円。