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幻影の胡蝶 〜桃源郷の寵妃達〜
第2章 桃源郷は地獄だった…※
その名前で振り返る顔も、声もただ1人だけだ。
だからこの胡蝶にはすぐに桃源郷から出て行って貰いたかった。
非業の死を迎えた女人に、一時の甘い時間を過ごして転生して貰う為に存在する『桃源郷』。
彼女にとってその役目を果たすのは自分では無くても良い。
ここには他に男が3人居るのだから。
(ああ…でも……。)
「はぁぁ…朱雀様っ!」
果てそうな桔梗がギュッと朱雀の腕を掴んだ。
朱雀は起こしていた体を倒して、桔梗を抱きしめた。
桔梗にキスをしながら、チラッと胡蝶を見た。
相変わらず表情を無くしたまま、その目は朱雀と桔梗を見ていた。
(あの3人も、この名前の女人に甘い一時を差し出すだろうか。)
胡蝶から目を逸らして、自分の腕の中で達した桔梗を抱き締めながら朱雀はそんな事を思った。
4人の男から愛された、ただ1人の女人。
彼らにとって『胡蝶』は、誰かが代わりになる事の出来ない。
唯一無二の女人なのだ。
「…はぁ……はぁ……はぁ……。」
荒い息を繰り返して、固い床に身を任せている桔梗を、目を細めながら見下ろしていた。
朱雀はゆっくりと桔梗の体を起こすと、無理をさせた体を労る様に優しく抱きしめた。
「……こっちに来い……。」
目線だけで胡蝶を見て、朱雀は胡蝶を呼んだ。
立ち上がれほど力の抜けた体は、少しふらついた。
それでも胡蝶は立ち上がると、ゆっくりと2人の元に歩いた。
そんな胡蝶の前に、朱雀は蘇りの玉を差し出した。
胡蝶は目を俯かせながら、しばらくその玉を見ていた。
その内手を伸ばして朱雀から蘇りの玉を貰い受ける。
「早くここから出れる事を祈ってる。」
だからこの胡蝶にはすぐに桃源郷から出て行って貰いたかった。
非業の死を迎えた女人に、一時の甘い時間を過ごして転生して貰う為に存在する『桃源郷』。
彼女にとってその役目を果たすのは自分では無くても良い。
ここには他に男が3人居るのだから。
(ああ…でも……。)
「はぁぁ…朱雀様っ!」
果てそうな桔梗がギュッと朱雀の腕を掴んだ。
朱雀は起こしていた体を倒して、桔梗を抱きしめた。
桔梗にキスをしながら、チラッと胡蝶を見た。
相変わらず表情を無くしたまま、その目は朱雀と桔梗を見ていた。
(あの3人も、この名前の女人に甘い一時を差し出すだろうか。)
胡蝶から目を逸らして、自分の腕の中で達した桔梗を抱き締めながら朱雀はそんな事を思った。
4人の男から愛された、ただ1人の女人。
彼らにとって『胡蝶』は、誰かが代わりになる事の出来ない。
唯一無二の女人なのだ。
「…はぁ……はぁ……はぁ……。」
荒い息を繰り返して、固い床に身を任せている桔梗を、目を細めながら見下ろしていた。
朱雀はゆっくりと桔梗の体を起こすと、無理をさせた体を労る様に優しく抱きしめた。
「……こっちに来い……。」
目線だけで胡蝶を見て、朱雀は胡蝶を呼んだ。
立ち上がれほど力の抜けた体は、少しふらついた。
それでも胡蝶は立ち上がると、ゆっくりと2人の元に歩いた。
そんな胡蝶の前に、朱雀は蘇りの玉を差し出した。
胡蝶は目を俯かせながら、しばらくその玉を見ていた。
その内手を伸ばして朱雀から蘇りの玉を貰い受ける。
「早くここから出れる事を祈ってる。」